Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
『テメェ、何言う気だ!?』
「……やめろ、やめろ充!!」
「それだけは言うなっ!!」
十夜の叫声を皮切りに、優音や遊大、中田、そして鳳皇幹部達が充に向かって一心不乱に叫び始める。
けれど、充にはそんな叫声聞こえていなかった。
唯一聞こえていたであろう優音や遊大の叫声を完全に無視し、笑顔を貼り付けたまま続ける。
『“あの時”、アンタは河原の一報を何処で聞いた?』
「……っ、やめろ充!!」
「やめろっ!!」
『聞いた後、どうした?』
「やめろっ!!」
冷静沈着な充に反して、何とか食い止めようと必死になっている鳳皇幹部達。そして、暴れ狂う中田。
在る者は震える両手で頭を抱え、在る者は力一杯テーブルを叩く。
共通して言えるのは、画面に向かって必死に叫んでいるという事だけ。
十夜達は胸中で共通の感情を抱いていた。
十夜しか、否、鳳皇幹部達しか知らない事実を何故充が知っているのか、と。
「凛音……!!」
十夜達の心の中にはもう“余裕”という言葉など一切存在しなかった。
「オイッ!十夜!!」
「一体何なんだよ!!煌、説明しろやっ!!」
逃げ場のない狭い空間で引っ切り無しに木霊する男達の切羽詰まった叫声。
獅鷹幹部達もまた、突然取り乱し始めた鳳皇幹部達に驚愕し、困惑していた。
当然だ。
獅鷹幹部達は全くと言っていい程今の状況を把握していないのだから。
取り乱したその姿は、状況が把握出来ていない獅鷹幹部達からすればただの不安要素にしかならない。
貴音達の頭の中からはもう“あの事”なんて跡形もなく消え失せていた。
「何なんだよ一体っ!!」
今はただ、取り乱す鳳皇幹部達に詰め寄っていく事しか出来ない。
けれど、鳳皇幹部達はそれさえも無視し、叫び続ける。