Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
『……あの日?』
『そう。“あの日”。河原 遊大が怪我したあの日、アンタは何してた?』
ノイズ混じりの声が幹部達の耳に届いた瞬間、十夜達の目が最大限に見開かれた。
驚愕の色を宿した瞳。
穴が空く程画面を凝視している五人は明らかに動揺していた。
「……なんで、」
否、驚愕していたのは十夜達鳳皇幹部だけではない。
貴音達獅鷹幹部もまた充の言葉に驚いていた。
“例の事”を匂わすその言葉。
動揺しない訳がなかった。
『遊大が、怪我した日……?』
凛音の表情が訝しげに歪む。
“過去”を思い出そうとしているのだろうか。
充から外され、緩やかに右下へと下降していく目線。
『……あ、』
数秒後、“何か”を思い出したようにハッと息を呑んだ凛音は再び充を見た。
『あたし……』
『そうだ。アンタも関わっていただろう?あの件に』
思い出した凛音を見て満足げに微笑む充。
次の瞬間、
『ヤメロ!!』
「ヤメロ……ッ!!」
二つの叫声が同時に放たれた。
その声は今まで固まっていた十夜と、“D”の下っ端に拘束されている中田のもの。
「……なんで、なんでお前が“それ”を知ってる?」
十夜の口からポツリと零れた抑揚の無い声色に、真横にいた貴音が怪訝に眉を寄せた。
「それは……俺しか知らない筈だ」
ポツリ。
「……なんで、」
また、ポツリ。
他の者には聞き取れない程小さな声が零れ落ち。
「なんでッ!!なんでお前が知ってるッ!!」
最後には──
「充……ッ!!」
無理矢理吐き出したかの様な叫声が室内中に木霊した。