Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
『……え?十夜……があの場所に居た……?』
絶句、とはこの事を言うのだろうが。
凛音はおろか、その周囲の人間、否、画面を隔てた獅鷹幹部達もその真実に目を見開いて驚いていた。
驚いていなかったのは倉庫に居る鳳皇メンバーと鳳皇幹部、そして中田だけ。
「……ッオイ、どういう事だよ十夜!!お前、今までそんな事一言も言わなかったじゃねぇかッ!!」
グイッと荒々しく十夜の左肩を引く貴音。
けれど次の瞬間、貴音は十夜の横顔を見てグッと言葉を詰まらせた。
「……オイ、本気で意味分かんねぇんだけど。───煌、彼方、陽、壱」
「………」
「何なんだよ一体!!」
俯いたまま返事をしようとしない五人に貴音が拳を震わせながら叫んだ。
『そうだ。アンタが知らなかっただけだよ。桐谷さんは確かにあそこに居た』
そうこうしている内に画面の中のやり取りは進んでいく。
憎悪を孕んだその言葉を捉えた瞬間、十夜達の視線が画面へと戻り、一度は閉ざされた十夜の口が再び開いた。
「……なん、で……なんでっ!!」
吐き出された言葉は鳳皇幹部達の心を大きく揺さぶった。
余りにも哀しすぎるその叫び。
けれど十夜自身、その問い掛けを誰に向けているのか分かっていなかった。
『──そして、怪我したんだ』
「なんで……っ、」
──ただ、思う。
『あの日、あの時、あの溜まり場で』
「やめろ……言うな」
──あの悩んできた日々は一体何だったのか。
『桐谷さんは脇腹を負傷した』
「言うなッ……!!」
──もっと早く、自分の口から言ってれば。
『アンタにやられたんだよ。東條 凛音』
──凛音を傷付けずに済んだかもしれない。
『アンタが桐谷さんに大怪我させたんだ』
けれど、後悔してももう遅い。
『河原の仇を討ちに来たアンタが、敵である桐谷さんを怪我させたんだよ!!』
──運命は、余りにも残酷だった。
-客観的視点 end-