Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「あたしが、十夜を怪我させた……?」
余りにも衝撃的な真実に、何の反応も出来ない。
ただただ呆然とその場に突っ立っているだけ。
“怪我したんだ”
“あの日、あの時、あの溜まり場で”
“桐谷さんは脇腹を負傷した”
「……や……ぁっ……」
次第に理解し始めていく脳に、目の前が真っ暗になっていく。
ガタガタと小刻みに震え始める身体。
真っ暗になった視界が余計に感情を煽り、脳裏で渦巻く言葉達をリアルに浮かび上がらせた。
“アンタにやられたんだよ。東條 凛音”
「う、そだ……嘘だ……っ!」
“アンタが桐谷さんに大怪我させたんだ”
「そん、な……」
“河原の仇を討ちに来たアンタが、敵である桐谷さんを怪我させたんだよ!!”
「十夜の怪我が……あたしのせい……?」
──嘘だと。
あたしを苦しめる為の嘘だと、そう言って欲しかった。
十夜があの場所に居て、しかもその時あの大怪我を負っただなんて。
そんなの、嘘だ。
けど、それが嘘ではないという事をあたしは充くんから嫌という程感じ取っていた。
目線を落としていても感じる強い視線が、
その鳥肌が立つ程強い憎悪を孕んだ視線が、
全て真実だとあたしに告げている。
「あたしが、十夜を……」
──もう、震える身体を止める術なんて分からなかった。