Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

「男?」

「凛音ちゃんが男の姿で?」


充くんの言葉にザワザワとざわめく倉庫内。


そんなざわめきに包まれているあたしは再び当時の記憶に襲われていた。



「あの日の事を俺が何故知ってるか分かる?」


「………」


「たまたま居たんだよ。シンに会いに行ってた」



シンに、会いに……?



「別に用なんてなかった。ただ遊びに行ってただけ。

だからあの時、桐谷さんが突然白狼の倉庫に来て驚いた。桐谷さんには従兄弟だって事を言ってなかったから」


「………」


「別に俺は従兄弟だって事がバレても良かったんだ。あの頃の白狼は鳳皇の傘下に入ってて関係も良好だったから」


「………」


「けど、桐谷さんが俺のいる部屋に着く前にあの出来事が起きた」




──あの、出来事。


迫り来るような言葉の数々を混乱した頭で必死に受け止める。


そんな時、呪文のように続けられていた言葉の羅列が突然止まった。



──クスッ。


不意に届いたのは小さな笑声。


その笑声にゆっくり顔を上げれば、ねっとりと絡みつくような瞳と目が合った。



「──アンタが来たんだよ」



静かに落とされたのは身震いしそうな程低い声。


そして、スッと細められた双眸。



「一人で」



──淡々と紡がれる言葉が。



「男の姿で」



──当時の記憶を鮮明に呼び起こしていく。





「河原の敵討ちをしに来た」





「…ぁ……」




全ての言葉を理解した瞬間、


今までの出来事が一本の線で繋がった。

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