Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
-客観的視点-
『テメェ、何者だ!?』
『止まれや!!』
突然姿を現した凛音に騒然となる“白狼”の倉庫内。
殺気を帯びた凛音の表情にすぐに敵だと認識した男達は一斉に凛音に飛び掛った。
けれど、我を忘れた凛音の頭の中にはもう“黒髪の男”しか存在しない。
邪魔する者は全て排除する。
──ガッ。
『ウッ』
『──総長は、何処にいる?』
それが、例え何十人居ようとも。
『っ、お前……、』
一人、また一人と地面に沈められていく男達。
身体のあらゆる“ツボ”を把握している凛音からすれば、下っ端なんて最早遊んでいるのと同じ。
小柄だろうが非力だろうが、そんなものは関係ない。
急所を的確に狙えば一発で仕留められる。
それが女である凛音の男に勝てる唯一の術。
『オイッ!総長呼んで来い!!』
味方が数少なくなってきたのを見た一人の男が苦痛に顔を歪めながらそう叫んだ。
凛音を止められるのは“総長”しかいない。
そう思ったのだろう。
それに、彼等は知っていた。
今此処に居るのは白狼総長だけじゃない。
県NO1、“鳳皇”。
その総長が総長室に居るという事を。