Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
『……吉川、お前どーすんだよ。黒髪の“総長”って“アイツ”の事じゃねぇか』
『良いんだよ。どうせ“アイツ”んとこまで辿りつかねぇだろ』
『そうかもしんねぇけど……』
『ってか、まさかボコッたアイツが獅鷹の幹部だったなんてな。マジビックリだわ。でも、“獅鷹”なら俺等、“白狼”が手を下さなくても“鳳皇”潰してくれんじゃね?』
この時、あたしがもう少し冷静だったら、
直弥さんの存在を忘れていなかったら、
三人の男達の表情をちゃんと見ていたら、
十夜を傷付けずに済んだかもしれない。
『そうなったら後は簡単だな。“鳳皇”が王座から転がり堕ちたら次は俺等、“白狼”がトップだ』
“獅鷹”と“鳳皇”は、敵対しなかったかもしれない。
『“獅鷹”に潰されろ。“鳳皇”』