Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

──居た!


奴等幹部達はあたし達が自分達の元へ来れないと確信しているのか、始めこそ見ていたものの気付いたらその場から居なくなっていた。


けど、そんなに時間が経っていなかった為、まだあたし達から見える場所にいる。


裸足な事もあってか殆んど足音がせず、背後から近付いても気付かれない。


「なっ!?」


──と思っていたけど、流石に真後ろに来たら気付かれるらしい。


けどもう遅い。


『アンタじゃない。退いて』


あたしに気付いたカイを思いっきり突き飛ばし、地面を蹴る。


あたしの標的はただ一人。


『アンタだ』


幹部達の間をすり抜けたあたしは背後から男の首を掴もうと右手を伸ばした。


「シン!!」


──が、掴む直前で男が振り返り、スッと身体を後ろへと倒される。


「チッ、」


あと少しといった所で交わされ、伸ばした右手は無惨にも空を切った。


即座に足を止め振り返ると、男は平然とした表情であたしを見ていて。


思わず二度目の舌打ちが飛び出す。



……キョウが男を呼ばなければ仕留める事が出来たのに。


絶好のチャンスをキョウに潰され、言い様のない苛立ちが募った。



もう一度仕掛けるしかないか?


だが、それが容易な事ではという事ぐらい解ってる。


相手は“D”のトップ。

簡単には背後を取らせてくれないだろう。


だから余計にこのチャンスを逃したくなかったのに。
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