Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「……へぇ。まさか本当に此処まで来るとはね」
「………」
苛立ちを増幅させるかの様な物言いはワザとなのだろうか。
数歩下がり、少し距離を取った男は面白い物でも見るかの様に上から下へと視線を這わせてくる。
『だから言ったじゃない、絶対に捕まえてやるって』
その視線を払い除ける様に鼻でフンッと笑い返してやると、男は一瞬目を見開き、その後ケラケラと声を上げて笑い出した。
「まぁ、捕まってはねぇけどな」
ムカッ。
その言葉はワザとあたしの怒りを煽っている様にしか思えず、再度舌打ち。
あぁもう、ホントムカツク。
『此処まで来たんだから相手しなさいよ!』
「……さぁ、どうしようかなぁー」
逆に煽ってやれば返ってきたのは何とも腑抜けた返事で。
その言葉にあたしのイライラボルテージは最高潮に達した。
『アンタまだ逃げる気!?相手するって言ったんだからしなさいよ!って言うか、本当はあたしとやるのがコワイんじゃないの!?』
煽り口調になってしまうのは仕方無いだろう。
だって本当にムカツクんだもん。
今すぐグーで殴ってやりたいぐらいムカツク。