Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
『アンタにもたんこぶ作ってやるから此方へ来なさいよ!』
「誰が作るかよバーカ!俺が作ってやるからお前が来い!」
『はぁ!?馬鹿って言うな馬鹿!!』
「テメェも言ってんだろーが!!」
激しい攻防を繰り広げるあたしとカイ。
喋れば喋る程ヒートアップしていくあたし達は最早他人など目に入ってなく。
今にも飛び掛かってきそうな勢いに一秒足りとも気が抜けなかった。
そんなあたし達を止めたのは他の誰でもない“D”の絶対君主。
「──カイ、止めろ」
“シン”
確かさっき、キョウにそう呼ばれていたような気がする。
「……チッ」
流石にトップには逆らえないのか、カイは悔しそうに舌打ちをすると元の立ち位置へと戻っていった。
大人しく引っ込んだのはいいものの、その後の目付きはさっきと全然変わらない。
その視線が余りにもムカついたもんだから、ワザとらしくフイッと顔を逸らしてやった。
すると、案の定カイはカッと怒りを露にさせ、「テメェ!」と声を張り上げる。
「カイ」
再びカイを制したシンは無言で此方へと歩いてきた。
一歩一歩。
ゆっくりと地面を踏み締める様にコツンコツンと靴音を響かせながら歩いてくるシン。
外される事のない視線はまるで見えない拘束のようで。
身体が……動かない。