Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

元……傘下?白、狼……?


“D”が?


「鳳皇の……元傘下?」


そんな……。


余りの衝撃に目を見開く事しか出来ないあたし。


だって、衝撃すぎた。


“D”が鳳皇の元傘下だったなんて、そんなの想像すらしていなかったから。





「良い反応だな。東條 凛音」


呆然とするあたしを見てにやりとほくそ笑むシン。


シンは笑みを浮かべたまま左手であたしの襟元を掴むと、ゆっくりと首を傾げて見せた。


な、に……?


その意味ありげな微笑にギクリと心臓が鈍い音を立てる。


──刹那。


襟元を掴んでいた手が思いっきり振り払われ、ブチブチブチとシャツワンピのボタンが引きちぎられた。


と同時に、引っ張られた衝撃で身体が右へと傾く。


「凛音──!!」


けど、あたしが地面へ倒れる事はなかった。


シンに首を拘束されたままだったからだ。


お陰で余計に首が絞まり、一瞬息が出来なくなった。


「ゴホッ、…ゴホッゴホッ……!」


咳き込みながらそっと目を開ければ、飛び散ったボタンが地面の上をコロコロと転がっていくのが見え、それを見てやっと今の状況を把握する事が出来た。


まさか服を引っ張られるだなんて……。


幸いな事に中にキャミソールを着ていたから下着が露出する事はなかったけど、それでもあたしだって一応女。羞恥ぐらいある。



「何す──」


──バシッ。


「……っ、」


文句言ってやろうと口を開くや否や、突如左頬を襲った鋭い痛み。


まさかの不意打ちに歯を食い縛る事すら出来ず、痛みを感じた時にはもう口腔内に血の味が広がっていた。
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