俺様黒王子とニセ恋!?契約
言い当てられて反応して赤くなった頬を隠せない。
それを見て、彼はニヤッと笑った。
「……まあ、いっか。お前も大人しそうな割に、酔っぱらって簡単に身体開く辺り、結構遊んでるんだろうし」
考えるようにそんなことを言うと、今度は彼の方から身を乗り出して、『ジーッ』と音が出そうなくらい私を見つめる。
慌てて顔を背けようとすると、篤樹先輩が私の顎をグッと掴んだ。
まっすぐ正面で固定されて、視線だけしか逃れられない。
「四宮……澪って言ったっけ」
篤樹先輩は、私の名前を口の中で転がして味わうように呟いて、顎を離した手を私の頭に乗せた。
「『みをつくし 恋ふるしるしにここまでも めぐり逢ひける えには深しな』……源氏物語の『澪標』の章にこんな和歌があるな。……縁が深くなきゃ、そう簡単に再会なんかしないか」
スラスラと和歌を諳んじてしまう篤樹先輩に、ただドキドキと鼓動が速まる。
自然と高校時代に恋い焦がれた篤樹先輩を思い出す。
弓道部のエースで袴姿がとても良く似合っていた。
矢を番える時のピンと伸びた背筋と、的を絞る鋭い瞳。
何もかもが凛としていて、とてもとてもカッコよかった。
そんな、思い出の中の王子様が。
「バレそうになったら、速攻終わりにする。ゆえに、お互い本気にならない。端的に言えばセフレ。それでいいなら付き合ってやるよ」
どこまでも上から目線でそんなことを言って。
「……あ、篤樹せんぱ……?」
「篤樹って呼べ」
思いもしなかった言葉を放つ唇を、私の唇に重ね合わせていた。
それを見て、彼はニヤッと笑った。
「……まあ、いっか。お前も大人しそうな割に、酔っぱらって簡単に身体開く辺り、結構遊んでるんだろうし」
考えるようにそんなことを言うと、今度は彼の方から身を乗り出して、『ジーッ』と音が出そうなくらい私を見つめる。
慌てて顔を背けようとすると、篤樹先輩が私の顎をグッと掴んだ。
まっすぐ正面で固定されて、視線だけしか逃れられない。
「四宮……澪って言ったっけ」
篤樹先輩は、私の名前を口の中で転がして味わうように呟いて、顎を離した手を私の頭に乗せた。
「『みをつくし 恋ふるしるしにここまでも めぐり逢ひける えには深しな』……源氏物語の『澪標』の章にこんな和歌があるな。……縁が深くなきゃ、そう簡単に再会なんかしないか」
スラスラと和歌を諳んじてしまう篤樹先輩に、ただドキドキと鼓動が速まる。
自然と高校時代に恋い焦がれた篤樹先輩を思い出す。
弓道部のエースで袴姿がとても良く似合っていた。
矢を番える時のピンと伸びた背筋と、的を絞る鋭い瞳。
何もかもが凛としていて、とてもとてもカッコよかった。
そんな、思い出の中の王子様が。
「バレそうになったら、速攻終わりにする。ゆえに、お互い本気にならない。端的に言えばセフレ。それでいいなら付き合ってやるよ」
どこまでも上から目線でそんなことを言って。
「……あ、篤樹せんぱ……?」
「篤樹って呼べ」
思いもしなかった言葉を放つ唇を、私の唇に重ね合わせていた。