俺様黒王子とニセ恋!?契約
「篤樹先輩と同じ会社の営業企画部所属の、四宮澪と言います……。昨夜はうちの部も篤樹先輩の歓迎会に呼ばれていて……」
地味に傷つきながら、腹を括ってもう一度自己紹介をする。
「あの……それと、実は私、篤樹先輩と同じ高校出身で……」
「同じ会社……そりゃマズいな」
続けた私の言葉は完全にスルーして、篤樹先輩が口元を手で覆いながらボソッと呟いた。
え?と聞き返すと、彼はわずかに逡巡しながら、ああ、と声を返してくれた。
「酔った勢いとは言え、いたしてしまったようだから。俺は今フリーだし、責任とって付き合おうか、と思ったんだけど」
「えっ!?」
思いもしない言葉に、ドクンと鼓動が跳ねた。
『付き合う』!?
今、篤樹先輩、『付き合う』って言った!?
信じられない。どうしよう。
一夜の過ちでは気まずいけれど、社内恋愛が始まると言うなら、ちょっとニュアンスは変わる。
「せんぱ……!」
「悪いけど俺、社内恋愛はしない主義なんだよな」
――え?
つい勢い込んで身を乗り出して見上げてしまった私に、篤樹先輩はシレッとそう言った。
呆然としてしまった私の顔を見て、彼はプッと面白そうに吹き出す。
「何? その顔。もしかして本気でガッカリした?」
「え、いえ。あの……」
「ああ、同じ高校だったとか言ってたっけ? もしかして、俺に憧れてた……とか?」
「っ……」
地味に傷つきながら、腹を括ってもう一度自己紹介をする。
「あの……それと、実は私、篤樹先輩と同じ高校出身で……」
「同じ会社……そりゃマズいな」
続けた私の言葉は完全にスルーして、篤樹先輩が口元を手で覆いながらボソッと呟いた。
え?と聞き返すと、彼はわずかに逡巡しながら、ああ、と声を返してくれた。
「酔った勢いとは言え、いたしてしまったようだから。俺は今フリーだし、責任とって付き合おうか、と思ったんだけど」
「えっ!?」
思いもしない言葉に、ドクンと鼓動が跳ねた。
『付き合う』!?
今、篤樹先輩、『付き合う』って言った!?
信じられない。どうしよう。
一夜の過ちでは気まずいけれど、社内恋愛が始まると言うなら、ちょっとニュアンスは変わる。
「せんぱ……!」
「悪いけど俺、社内恋愛はしない主義なんだよな」
――え?
つい勢い込んで身を乗り出して見上げてしまった私に、篤樹先輩はシレッとそう言った。
呆然としてしまった私の顔を見て、彼はプッと面白そうに吹き出す。
「何? その顔。もしかして本気でガッカリした?」
「え、いえ。あの……」
「ああ、同じ高校だったとか言ってたっけ? もしかして、俺に憧れてた……とか?」
「っ……」