俺様黒王子とニセ恋!?契約
今年六回目の友人の結婚式。
今日は高校時代の友人の物で、久しぶりに親友の大山沙穂(おおやまさほ)と並んで座った。


「え~っ!? それ、すごいラッキーじゃない!」


現況報告……と称して、篤樹と同じ会社で働いていることを告げると、沙穂は頬を紅潮させてそう叫んだ。
沙穂は、自分の声の大きさにハッとして肩を竦めるけれど、今は歓談の時間。
どのテーブルも会話が盛り上がっていて、ちょっとくらい声を上げても特に目立ちはしない。


「澪、超憧れてたじゃん。チャンスだよ、頑張れ!!」


手放しで応援してくれる沙穂に、はは、と短い笑い声を漏らした。
きっと、相変わらず遠くから眺めているだけだろうと思ったんだろう。


一緒の会社で働いてることを報告は出来ても、その後に続く関係を告白することは出来ない。
身体の関係を持ってしまった。
そんなことを言ったら、高校時代からの私を知ってる沙穂は、心臓発作を起こすかもしれない。


「……何? 浮かない顔」


横から覗き込まれて、私はハッと我に返る。


「ご、ごめん。なんでもない」


取り繕って必死に笑みを浮かべる。
そんな私をジトーッと観察してから、沙穂は肩を竦めてシートに大きく仰け反った。


「私さ。あの時は言わなかったけど、澪、バカだな~って思ってたの」

「へ?」


繰り出される言葉に、思わず目が点になる。
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