俺様黒王子とニセ恋!?契約
その後、私は金子さんや子会社側のメンバーと共に、オフィスビルの会場にやって来た。


ビル側のイベント担当者と並んで、実際に会場を歩きながら、設営図を見比べて確認する。


中央のオブジェの前には、小さなステージを設置することになっている。
両脇に商品であるカクテルをツリー状に積み上げて、ステージ上ではPRアナウンスを依頼したフリーアナウンサーに、商品を説明してもらう。


私は金子さんについて歩きながら、スペースの広さ、積み上げる商品の高さ、実際に必要な商品個数を企画書と照らし合わせる。
担当者と話を詰めていた金子さんが、ん?と眉を寄せて首を傾げた。


「あれ……。そうすると個数が合わないな……。計算ミスか?」


そう言いながら立ち止まって、自分の手にした設営図と企画書を捲った。
私も同じように企画書を確認する。
そして、ほとんど同時に、「あ」と口を大きく開けた。


「四宮さん。片桐は確か、サンプルは実商品より小さいサイズで発注かけてるって言ってたよな?」

「あ……はい。販売商品は三百五十ミリですが、サンプルは二百ミリ缶で……」


サンプルのサイズが決まったのは、企画書が完成してから一週間経った時だった。
いけない。あれから計算し直していなかった。


金子さんは、ホッとしたような息を吐いた。
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