俺様黒王子とニセ恋!?契約
いっそ、篤樹先輩が目覚める前にこの場から消えてしまいたいと思ったけれど、悲しいかな、ここは私の部屋だ。
私がいなければ篤樹先輩も帰れないだろうし、そう考えるとちょっと外出……すら出来ない。


とにかく、今私に出来ることと言えば、篤樹先輩が目を覚ますまでに、この状況をどう言い繕うか考えること。
それだけしかない。


そして、ハッと思いついた。


昨夜、篤樹先輩は相当酔っていた。
ここに来るまでの記憶も飛んでると言っていたし、それならもしかしたら誤魔化せるかもしれない。


とにかく、服を着せてしまえばいい。
何もなかったと思わせるシチュエーションさえ創り上げてしまえば、このマズい事態もなんとかやり過ごせるかもしれない……!


だけど私は、すぐに最大の難関にぶち当たった。


篤樹先輩の身体にかかる布団をそおっと持ち上げて、途端に慌ててかけ直してしまう。
私もそうだから当然だけど、篤樹先輩は本当の本当に全裸なのだ。


どうやったら、気づかれないように服を全部着せられるのか。
それ以前に……そんなことしたら、私は彼の身体を直視しない訳にはいかなくなってしまう。


想像して、カアッと頬が熱くなるのを感じた。
いや、裸を見る&見られるくらい、今更だ。
酔っていたとは言え、昨夜私は篤樹先輩と、もっともっと恥ずかしいことをしてしまったんだから。
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