俺様黒王子とニセ恋!?契約
「……やっぱり、四宮さんはライバルですよね」
そう断定して言われて、私は思わず口籠った。
「負けないで。頑張りましょう? 私、強敵がいた方が燃えるんです」
可愛い顔して、口にする言葉はどこまでも挑発的だ。
見た目とのギャップに驚きながらも、私は彼女の言葉に心を大きく揺れ動いた。
「……はい」
短く声を発すると、橋本さんは満足そうに大きく頷いた。
「負けませんよ」
一言、背を屈めて私を覗き込むようにして宣言して、橋本さんは手を振って道を逸れて行った。
オフィスから駅まではほんのわずかな距離しかない。
いつもは近くてありがたいと思うのに、今はこの近すぎてほんのわずかな時間しか要さない距離が、ちょっと残念だと思ってしまった。
営業部の人間は、押しが強くてどこまでも私に一方的だ。
それでも今の私には、橋本さんの勝手な挑戦状が心強く感じた。
あんな可愛い子に挑戦されても、私が何をどう挑み返せるんだろう。
それが動かぬ本音だけど、私は確かに勇気をもらった。
篤樹が、社内恋愛でも踏み込まざるを得ないくらい、私に惚れ込ませればいい。
どうやったらそんなこと出来るのか、見当もつかないけれど。
一世一代の告白を言い逃げで終えた。
あの頃のままの私じゃない。
そう断定して言われて、私は思わず口籠った。
「負けないで。頑張りましょう? 私、強敵がいた方が燃えるんです」
可愛い顔して、口にする言葉はどこまでも挑発的だ。
見た目とのギャップに驚きながらも、私は彼女の言葉に心を大きく揺れ動いた。
「……はい」
短く声を発すると、橋本さんは満足そうに大きく頷いた。
「負けませんよ」
一言、背を屈めて私を覗き込むようにして宣言して、橋本さんは手を振って道を逸れて行った。
オフィスから駅まではほんのわずかな距離しかない。
いつもは近くてありがたいと思うのに、今はこの近すぎてほんのわずかな時間しか要さない距離が、ちょっと残念だと思ってしまった。
営業部の人間は、押しが強くてどこまでも私に一方的だ。
それでも今の私には、橋本さんの勝手な挑戦状が心強く感じた。
あんな可愛い子に挑戦されても、私が何をどう挑み返せるんだろう。
それが動かぬ本音だけど、私は確かに勇気をもらった。
篤樹が、社内恋愛でも踏み込まざるを得ないくらい、私に惚れ込ませればいい。
どうやったらそんなこと出来るのか、見当もつかないけれど。
一世一代の告白を言い逃げで終えた。
あの頃のままの私じゃない。