生きる。~番外編~
「そういえば一輝と多香子さんって
どうやって知り合って付き合ったの?」
聞いたことないや。
「あー、多香子がナンパされてたんだけど
そのナンパしてるやつがちょっと柄悪くて
それを俺が助けたってとこだな。
殴りかかってきたから殴り返してやった。」
「うわー、そりゃ災難だね、相手が。」
「殴ってこなきゃ俺も殴らねーよ。」
「でも一輝は殴られてないんでしょ。」
「当たり前。俺があんなやつに殴られるかよ。
で、それからお礼したいとか言われて
無理矢理飯に連れていかれて
おされまくって、いつの間にか俺も
ってとこだな。」
「へー、でも一輝ずっと彼女いなかったし
よかったじゃん。
一輝が彼女できたって知ったとき
本当にビックリしたもん。」
「でも普通目の前で殴ってる男に惚れるか?」
「いいじゃん、別に。
まぁ一輝が殴るのも珍しいしレアだね。」
「由茉が龍に連れていかれたときは
めっちゃ殴ったけどな。いろんなやつ。」
「はは、懐かしい思い出だね。」
「あん時の湊、ほんとやばかった。
由茉が殴られたら動揺しまくってるし
由茉が目を覚まさないから
心配しすぎて湊が倒れそうだし
まぁそのあとすぐ由茉が目を覚ましたから
とりあえず安心したのに記憶ねーし
あん時の湊は絶望的な顔してた。」
「そのときの記憶はあんまりないや。」
「え、そうなのか?」
「うん。目を覚ましたときの記憶はあんまない。
殴られたところは覚えてるし、
記憶がない時のことも覚えてるけど
目を覚ましたときのことはわかんないの。
退院するときのことは覚えてるのになー。」
「ま、大したことはなかったよ。
晴輝が橘湊、わかるだろ?って聞いて
由茉がわかんないって答えて
湊が顔真っ白になってたくらいだな。
で、由茉が雄のことはわかったから
それですげー嫉妬してたくらいだな。」
「へぇー…」