Sweetie Sweetie Sweetie
“私は、これから、夜の世界に飛びこんでいく……”
「ミィちゃん、本当に、それでいいの?」
「うん……でも……」
「でも?」
「リンは、十代の女の子のこと……」
「俺に、そういう趣味はないよ。だから、ミィちゃんのことは一人の女性として可愛いと思ってる」
「だったら……」
初めては、リンがいい。
「……わかった。先に行って待ってて」
★★★★★
初めての、アフター。
見慣れた街のホテルで、
リンと、初めてのセックスをした。
触れる柔らかい髪とか、
近くにかかる吐息とか、
擦れる肌の感触とか、
ナカをいっぱいにする温度とか、
感じるのは、全部、
リンのものだけ。
嬉しくて、でも、後ろめたくて、
そんな気持ちも、全部、
リンとする時だけ。
リンを受け入れながら、そう、誓った。
だって、この後、誰かに……
★★★★★
「私のこと、嫌いにならない?」
終わった後、リンの腕とシーツに包まれながら、呟いた。
「嫌いになんかならないよ」
「だって、私……」
「傷つくから、とか思ってる?」
「だって……」
リンは、全部お見通しと言うように、穏やかに、笑った。
「ミィちゃん、俺のこと、好き?」
「好きだよ」
「“おシゴト”するのは、誰のため?」
「リン……」
そうして、穏やかに、ゆっくりと、続けた。
「ねぇ、ミィちゃん、好きな人のためにカラダを張れるって、スゴいことだよ? 最大級の愛情表現だと思わない? 俺は、そんなふうに愛してくれる子を、嫌いになんかなれないよ。むしろ、もっと好きになる、大事になる」
「そう……」
さらに、ゆっくりと、はっきりと、続けた。
「ミィちゃんが、これからすることは、怖いことでも嫌なことでも悲しいことでもないんだよ? あくまで“おシゴト”。好きな人のために頑張る、尊いこと」
「うん……」
「大丈夫、誰かに傷つけられたって、また俺が抱いてあげる、俺が、ミィちゃんを、綺麗にしてあげる」
俺が、ミィちゃんを、綺麗にしてあげる……
その言葉が、
まるで、呪文のように、
心に、響いていた。
「うん」
大丈夫、大丈夫、と……
★★★★★