Sweetie Sweetie Sweetie





そうして、少しだけ、二人で歩いた。





ここが、店ではないからだろうか、いつもの街ではないからだろうか、





私と、手を繋いだ、彼が、リンであって、リンでないような、気がしていた。





やがて、目の前に、立ち並ぶタワーマンションが現れる頃、





リンは、





「ここ、俺が住んでるとこ」





そう言って、その中の一棟を指した。





「高……」





そして、思わず発した私の言葉に、クスクスと笑いながら、





「うん、高いよね。ホストだからさ、住むなら、こういうとこかなって。夜景が綺麗だよ」





ロビーを抜け、エレベーターを昇り、そして、25階のフロアの一室のドアを開いた。





「本当……すごい……」





その部屋の窓の向こうには、リンの言った通り、綺麗な夜景が広がっていて、圧巻だった。





「気に入った?」





そして、インテリアは、淡いグレーでシンプルに纏められていた。





「うん。でも、意外。もっと派手なの想像してたから、キラキラなかんじの」



「キラキラ!? まさか……派手なのは店だけで充分」





そして、飾らないリンの姿を見た時、





何か、たまらなく、想いが、あふれて、





「はい、ケーキ。早く食べよ」





ちゃんと、バースデープレートとキャンドルが乗った、デコレーションケーキを用意してくれるところも、





好き、





「お誕生日おめでとう!!」





乾杯は、シャンメリー、





「やっぱりお酒はダメなの?」



「うん、ダメ」





絶対に、お酒は飲ませてくれないところも、





好き、





「プレゼントもあるんだよ。これ……いつも着けててよ、学校ではバレないようにシャツで隠してさ」





渡されたのは、リンが愛用しているブランドのネックレスで、



リンと同じブランドを身につけられるということが、嬉しくて、





「ありがと……いつも着ける、絶対はずさない……」





そんな、素敵なプレゼントをくれるところも、





好き、







好き、好き、好き……







★★★★★
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