ハメごろし
肝臓を薄く切って胡麻油と塩で作ったタレと一緒に刻んだ生姜を盛る。
これはこっこう美味しかった。あいつらに出すのがもったいないくらいだ。
腕と脚と腹の肉は一口大に切ってシチューの中に溶け込ませた。
手と足の指、鼻、唇、耳は内臓とともにミキサーにかけてどろどろにした。骨や皮、爪も擂り潰されて無くなるまで丁寧にかける。
頭蓋は割って粉にした。
鳥の肉と残りの肉を混ぜ合わせてつくねにする。
それを醤油と砂糖、みりんで作ったタレをかけてごまかせば出来上がりだ。
「まずはスープから」
二人の前にアイツで出汁をとってアイツの頬肉を煮込んだスープを出した。
二人とも笑顔でスプーンを取る。すくって口に運ぶ。それを見て私も喉がなった。
どう? 自分の妻と娘に食べられるのって?
アイツが生きてここにいたなら、いつものようにあなたの腕に頭を預けて聞いてみたい。
『美味しかった?』って。で、アイツはこう言うの。
『君はいつだって美味しいよ』って。