めぐり逢えたのに
私は楽しい三日間を過ごして、元気になって東京に帰った。

だから、家に帰って、しなびれたような佐々倉の顔を見たとき、ひどい罪悪感にかられた。勝手に入って来ているということも忘れて、私はただ、佐々倉の隣りに座った。
そして、無言で沈んでいる佐々倉の隣りにじっと座って、背中をさすり続けた。

いやでも、以前、拓也と別れた時のことを思い出す。
理由もわからず、突然、拓也が目の前から消えて、私はどうして良いかわからなかった。嫌いになったわけでも、ケンカをしたわけでもなかったから、私は気持ちの持って行き場がなく、ずるずると気持ちを引きずったのだった。

佐々倉は、すぼめた肩を震わせている。

「……本当に、大切な人だったんだ、オレにとっては。」

佐々倉があの時の自分に重なる。
気がつけば、私は涙を流しながら、佐々倉を抱きしめていた。



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