めぐり逢えたのに
その一週間後、夜中の一時過ぎに突然ケータイの電話が鳴った。拓也からだった。
この時間の電話にロクな知らせはない。私は、「もしもし」と言いながら身構えた。拓也のナーバスになったような声が聞こえて来た。

「明日の週刊新実に僕たちのことがでる。」
「どういうこと?」
「小野寺拓也熱愛の記事が載るらしいんだ。先週、万里花さんが遊びに来た時に写真を撮られたみたい。」
「………」
「とにかく、万里花さんの名前と顔写真は出ないようだけど、マンションにマスコミの人が詰めかけたりするかもしれないから、気をつけて。」

眠気なんか一遍でふっとんだ。心臓の鼓動のドキンドキンいう音だけがしんとした部屋に響いているような気がする。私は、じりじりしながら夜が明けるのを待った。
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