めぐり逢えたのに
前にも言った通り、私の望みはだいたい叶うことが多かった。

ただ、パパとママがダメだ、と言ったことに関しては二人とも驚くほど頑固で、私がどんなに懇願しても実現されることはなかった。
それは決まりに関しても同じ事が言えた。パパとママは私のすることに口出しすることはほとんどなく、私はわりと自由気ままに過ごすことが出来たのだけれど、いくつかきっちりと守らなくてはならないルールがあった。

その一つが門限に関してだった。
夜の七時までに家に帰って来なくてはならない、というのが原則で、帰りがそれより遅くなる場合は、どこで、誰と、何をしているのか、何時に帰って来るのか伝えておく、というのがうちのルールだった。
逆にそれをきちんと言っておけば、例え友だちとカラオケに行って夜中の12時に帰って来てもそのことで怒られることはまずなかった。

それから、当たり前と言えば当たり前だが、お酒とたばこと薬に関しても厳しかった。
万一外や友だちの家で勧められても絶対に手を出すな、とくどい程言われていた。これもとりあえずそれほど難しいルールではなかった。

まさか制服でお酒を出すようなところには出入りしなかったし、私は今のところファミレスとかスタバで十分満足していた。たばこはむしろ嫌煙家だったし(うちでは誰も吸う人がいない)、薬は、今のところ手にする機会もなかった。

一番守るのが難しいルールは、よく知らない人に写真を撮られない、ってことだった。
みんなで遊んだ時なんか、時々友だちの友だちで知らない人がいたりする。こういう時に「一緒に写メしよう」って言われることがあるんだけど、断るのが難しかった。
私は何度も、こういう時はいいんじゃないか、って訴えたけど、パパとママは絶対妥協しなかった。

パパとママは、これは私が安全に生活するための必要最低限のルールだから必ず守ってもらう、って、すごく厳格だった。だから、私は真っ青になって慌てて帰ったのだ。
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