めぐり逢えたのに
私は毎日のように誰かを家に呼んだ。
もちろん一番に呼んだのは友美とヒロで、私は彼のことを二人に相談した。しかし、二人とも私とどっこいどっこいの経験値だったので、三人寄っても何の知恵も出て来なかった。

友美が、どんな人なのかと聞いて来ても、私は答えられなくて困惑した。

私が知っていることと言えば、彼の名前と連絡先、それに住んでいるところだけだった。何歳なのかも何をしている人なのかもしらない。ああ、パパの話をするとすごく不機嫌になって冷たい声を出すことと、私には全然興味がないらしいこともわかっていた。

「でも、部屋の鍵をくれたんでしょう。嫌いな人にはあげないんじゃないかなあ。」

友美が慰めてくれた。

「でもね、私が隣りにいてもずっと無視してるし、全然どういう人かわからない。」
「よくそんな人を好きになったよねー、万里花も。」

ヒロが呆れると、

「ほんと、万里花の恋は前途多難だ。」

友美も相づちをうった。
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