めぐり逢えたのに
クリスマスイブを控えた金曜日の夕方、私は佐々倉にデートに誘われた。
街路樹は華麗にライトアップされ、街角のあちらこちらから賑やかなクリスマスキャロルが流れていた。人々の浮き立った表情を見ながら、私は自分の顔が憮然としていくのがわかった。
「クリスマスなんですから、少しは楽しそうにしたらどうですか。」
街頭で車を待っていた私に、窓を開けながら、佐々倉が声をかけた。寒い所で10分以上待たされていた私の気分はお世辞にも良いとはいえなかった。
どうして世の男は、私が待たされるのがこの世で一番嫌いなのを理解しないのだろうか。
急に、雑色駅で、彼のことを一時間以上待っていたことを思い出した。
しょぼくれた駅の改札で、あの時私は彼を待っていた。
もしも、あの時、彼に出会わなければ、私は今頃もっと幸福な気分で佐々倉のポルシェを待つ事ができたのだろうか?
いや、そんなことはないだろう、とすぐに気がついた。
もし、あの時会えなかったとしても、私は、絶対、彼に会いにいってたと思う。
何度でも、何度でも会いに行こうとしたんじゃないだろうか。
だって、私は、それほど彼が好きだったのだ。
ああ……、結婚が間近に迫っているというのに、こんなことしか考えられない自分に、軽い自己嫌悪を感じた。
街路樹は華麗にライトアップされ、街角のあちらこちらから賑やかなクリスマスキャロルが流れていた。人々の浮き立った表情を見ながら、私は自分の顔が憮然としていくのがわかった。
「クリスマスなんですから、少しは楽しそうにしたらどうですか。」
街頭で車を待っていた私に、窓を開けながら、佐々倉が声をかけた。寒い所で10分以上待たされていた私の気分はお世辞にも良いとはいえなかった。
どうして世の男は、私が待たされるのがこの世で一番嫌いなのを理解しないのだろうか。
急に、雑色駅で、彼のことを一時間以上待っていたことを思い出した。
しょぼくれた駅の改札で、あの時私は彼を待っていた。
もしも、あの時、彼に出会わなければ、私は今頃もっと幸福な気分で佐々倉のポルシェを待つ事ができたのだろうか?
いや、そんなことはないだろう、とすぐに気がついた。
もし、あの時会えなかったとしても、私は、絶対、彼に会いにいってたと思う。
何度でも、何度でも会いに行こうとしたんじゃないだろうか。
だって、私は、それほど彼が好きだったのだ。
ああ……、結婚が間近に迫っているというのに、こんなことしか考えられない自分に、軽い自己嫌悪を感じた。