めぐり逢えたのに
「………ちょっと待って。お互い誤解がないように、話をはっきりさせてくれる?」
「僕、恋人がいるんですよね。」
……道理で、お互い関知するのをやめよう、とか言ってくるはずだ。ちょっと待て!偽装結婚?ってことは、
「ゲイってことはないよね?!」
私の慌てぶりに、佐々倉はげらげらと声を立てて笑い出した。
「ないです、ないです。さすがにそれは。僕の付き合ってる人は女性ですよ。写真、見ますか?」
何だか妙な展開になってきた。この、佐々倉直樹という男、毎回毎回私の想像のナナメ上のことを言ってくる。
佐々倉はケータイを取り出して、私に写真を見せた。
佐々倉とぱっちりとした瞳が印象的な女の人が、腕をくんで楽しそうに笑っている写真だった。
二人とも首から綺麗なレイをかけているところをみると、ハワイのリゾートかなにかだろうか。背景に見える、ぬけるような青い空と、澄んだ海が美しかった。
写真の佐々倉は、私が見た事もない、リラックスしたとてもいい表情で笑っていた。
私は写真を見つめているうちに、涙がこみ上げて来た。