【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
「そうだよ。なんであの時気が付かなかったんだろう……!」
私はさっきまで履いていたヒールを手に握り締めながら、廊下を猛ダッシュしている。
お昼ご飯を食べ終わった後、廊下ですれ違った作業服の男。多分、アイツが犯人だ。私の推理が正しければ、まず間違いない。
最初にメールが届いた時に、気が付けば良かった。気が動転していて、頭がそこまで回らなかった。さっき、ノートパソコンで写真を見せられた時に不意に目に入った送信元のアドレス。あれは、この会社の資料室のアドレスだった。
そしてあの時、作業服の男が出て来た場所、それは――、
「資料室!」
それと同時に感じた違和感。
「作業員なのに、作業道具を一切持っていなかった!!」
そう。違和感の正体は、それだった。
服装は作業服だったけど、手ぶらだった。なんにも持っていなかった。少し考えたら分かる事だったのに……。そうしたらその時に何か対応が出来たかもしれない。
私は悔しさで唇を噛みしめながら、闇雲に作業服の男を探す。
どこだ?どこにいる?
(さすがに、もう社内にはいない……?)
いや、確実に社内にはいるハズ。こんな事をする位だ。パニックになってるこの状態を何処かからか見て笑っている気がする。
(でも、闇雲に探してもダメだ。……考えろ…冷静に…冷静に……)
走って乱れた呼吸を整え、頭をフル回転させ、考えた。
私はさっきまで履いていたヒールを手に握り締めながら、廊下を猛ダッシュしている。
お昼ご飯を食べ終わった後、廊下ですれ違った作業服の男。多分、アイツが犯人だ。私の推理が正しければ、まず間違いない。
最初にメールが届いた時に、気が付けば良かった。気が動転していて、頭がそこまで回らなかった。さっき、ノートパソコンで写真を見せられた時に不意に目に入った送信元のアドレス。あれは、この会社の資料室のアドレスだった。
そしてあの時、作業服の男が出て来た場所、それは――、
「資料室!」
それと同時に感じた違和感。
「作業員なのに、作業道具を一切持っていなかった!!」
そう。違和感の正体は、それだった。
服装は作業服だったけど、手ぶらだった。なんにも持っていなかった。少し考えたら分かる事だったのに……。そうしたらその時に何か対応が出来たかもしれない。
私は悔しさで唇を噛みしめながら、闇雲に作業服の男を探す。
どこだ?どこにいる?
(さすがに、もう社内にはいない……?)
いや、確実に社内にはいるハズ。こんな事をする位だ。パニックになってるこの状態を何処かからか見て笑っている気がする。
(でも、闇雲に探してもダメだ。……考えろ…冷静に…冷静に……)
走って乱れた呼吸を整え、頭をフル回転させ、考えた。