初恋を君に
「あぁー思い出した。あれからきちんと言葉がないとダメだなぁって思ったのよね。」
「でも今回もきちんとした言葉がないんでしょ?でも聞けないのは、文自身がこの関係を終わらせたくないんじゃないの?上条から離れたくないし離したくないんじゃない?」
「そうなのかな…でも私、結婚かなって考えてた彼と別れて寂しいだけなのかなぁとも思えてならない。」
さやかは全く…といいながら、
額に手をあてた。
「だからって寂しい気持ちを埋めてくれるのは誰でもいい訳じゃないでしょ?上条だから埋まったんじゃないの?違う?」
あぁ〜もう!
そう言ってテーブルに突っ伏した。
「わからないわよ〜!そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。分かっていたらこんなに悩まないわよー!!
って言うかそもそも私はなんでこんなに悩んでるのよ〜!!」
もうヤダ〜!!と騒ぐ私にさやかは楽しそうに笑いながら、頭をポンポンと軽く触れた。
「文。恋愛なんていつだってそんなものじゃない。ひとりではできないのだから仕方ないわよ。」
「それは…そうだけど。なんか今回は私らしくない気がするのよ…」
テーブルから顔をあげ、ワインを口に運ぶ。空になったグラスにさやかが注いでくれる。
「文らしいって何?いつもみたいな恋愛だったらいつも通りになっちゃうんじゃないの?」
「うっ…確かに…」
そう言われると確かにそうだ。
終わりが来てしまう恋愛ならば、
ある意味いつも通りだ。
「まずは文は何する?」
「うーん。仲直り…っていうか避けるのやめる。」
さやかはニッコリ笑うと、
わかってるじゃない。と褒めてくれた。
「本当は、なんとなく文自身も分かってるんでしょ?あの上条が文だけには1回限りじゃない続ける関係を望んでることを。あとは文次第よ。」
「うーん…」
「考えるのに時間がかかってもいいじゃない。文にとっても上条にとっても大事なことなんだから。」
さやかってお見通しなんだなぁ…
そして私の心を軽くしてくれる。
「そうだね。避けるのはやめる。とりあえず1回上条と話す時間を作るよ。」
「よし!じゃあ前進祝いに乾杯しよう!」
なにそれ〜といいながらも、
さやかとグラスを鳴らす。
話せてよかった。
少しだけ前進できたし自分の気持ちも
見えてきた。あとは行動するのみだ。
「さやか、ありがとね。」
「何よ。急に…とりあえず、今日はとことん飲むわよ!」
話しても話しても尽きない夜は更けていった。