初恋を君に

くみちゃんを見ると膝を抱えて眠っていた。ベッドの隣に布団を敷いてから、
くみちゃんの肩を揺する。


「くみちゃん!ほら布団敷いたから、隣の部屋に行こう。」


「…はぁーい。メールは…?」


「とりあえず明日の夜会う約束したから。もう寝よ。」


うーん。と伸びをしてくみちゃんは立ち上がった。ぺたぺたと私が開けた扉に向かいながら、よかったですね〜。と半分寝ている声で呟く。


私はベッド。くみちゃんは布団に潜り込む。


「…私も…きちんと答えをくれる人を…好きになりたかった…です。」


「くみちゃん?」


呼びかけてもくみちゃんは答えなかった。どうやら寝てしまったらしい。

きちんと答えをくれる人…ね。
上条がそうなのか、まだわからないけどなぁ。
あぁ…でもきちんと答えを貰ったら、
もう絶対に今までの同期の仲には戻れないのだ。
私にはその覚悟があるのだろうか?

って、今更だなぁ…
もう踏み出してしまったし
いつまでもこのままでいい訳ではない。

みんなにいいキッカケを貰ったのだ。
せっかくならきちんと生かそう。
そうだ。そうしよう…

くみちゃんの規則正しい寝息を聞きながら掛け布団をぐっと引き上げ眠りについた。




そして次の日の朝、
いつもの休日よりもゆっくりな時間に目が覚めた。起き上がり、くみちゃんを見るとまだぐっすり眠っていた。
起こさないように、そっとベッドを抜けてシャワーを浴びる。
物音を立てないようにキッチンへ向かう。どうやら、くみちゃんはまだ寝ているようだ。

コーヒーを入れて、ソファに沈み込む。

夜に上条と会うことを考えると、
少し気持ちが重くなる。
そんな気持ちを振り払うように、
頭を振って、ため息をひとつ。


「おはようございま〜す…うぅー…ちょっと頭痛いです。」


少し擦れた声を出しながらくみちゃんがリビングに入ってきた。


「おはよ〜。二日酔い?シャワー浴びる?」


立ち上がりミネラルウォーターを渡す。
くみちゃんは一気に半分飲んでしまった。


「…すみません。借りてもいいですか?」


「どうぞ、タオル類は好きに使って。」


ありがとうございます…そういいながら、くみちゃんはバスルームに向った。

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