初恋を君に
もうすぐお昼だけど…
くみちゃん大丈夫かしら?
とりあえずスエットから外に出られる服に着替える。スキニージーンズにパーカーを合わせる。夜は…着替える?
…あとで考えよう。
「ありがとうございました〜!すっきり!!」
そう言いながら、
くみちゃんがリビングへ入ってきた。
確かにすっきりした顔をしている。
「はい。これ。下着とかは貸せないけどとりあえず上だけでも着替えたいかなぁと思って…よかったらどうぞ。」
くみちゃんが着れそうなニット手渡す。
忘年会をハシゴすれば、どうしたって居酒屋の匂いとタバコの匂いが服についてしまう。
「うっ…すみません。何から何まで…」
くみちゃんは、そう言うと着替え始めた。やはり気にはしていたのだろう。
新しくマグカップをだしコーヒーを入れて、ローテーブルに置く。
「コーヒーどうぞ。お昼どうしようか?」
「私、もう帰るのでお構いなく!」
「じゃあ、駅前でランチしない?中華粥のお店行きたかったんだよねー。」
中華粥かぁ…いいですねぇ。
コーヒーを飲みながらくみちゃんが呟く。
「じゃあ決まりね!コーヒー飲んだら行こう!」
「はい!」
寒いけれどいい天気だ。
コーヒーを飲み切り部屋を出た。
「最近、あのドレスウォッチつけてないんですね。」
駅まで歩きながら思い出したように、
くみちゃんがドレスウォッチの話を持ち出した。
すっかり忘れてた…
「うーん。元カレに貰った物だし…なんか身につけるのもなんだかね〜。でも処分も出来なくてね…」
「確かに。高価そうですもんね。それに…ふみさんにすごく似合ってるから手放すのは勿体ないですよね〜。」
似合ってるか…
自分ではそうは思わなかったなぁ。
ピンクゴールドであまり可愛らしくて、
私には不釣り合いだとばかり思っていた。
「そういえば…染谷課長から連絡きた?」
「…なんですか?急に!!」
なんだか昨日から私のことばかり聞かれているので、少しだけ仕返しだ。
それに寝る前に言っていた言葉も気になる。
「来てません。来るはずないですよ…」
「ふーん。…染谷課長は答えをくれない人なの?」
くみちゃんは大きな目を見開き、
びっくりした顔でこちらを見つめていた。
「…知ってたんですか…?」
「知っていたって言うより…気づいてた?さやかも私も…ただくみちゃんが名前を出さないから言わなかっただけ。」