初恋を君に
ゆっくり唇を離し上条を見ると
目を見開いて驚いた顔していた。
「竣一朗と会ったのは本当に偶然。あのカフェの店長さんと幼なじみ何だって。それに時計もどうしたらいいか分からなくて置いてあるだけ。意味は無いのよ。今となっては…」
そう。
竣一朗との思い出を思い返すものではなく、自分の気持ちを慎重に冷静にするためのものだった。
でももうそんな必要はない。
「…本当なのか?」
「本当よ。疑うならこれからカフェに行って確認する?」
上条の顔を覗きこむと、
情けない顔をしながら首を横に振った。
天下の上条がまさかそんな顔をするとは思わず、吹き出してしまった。
「…なんだよ。」
「いや。あまりにも可愛い顔してるから…」
「…ふみぃ~」
上条は急に立ち上がり、どうしたのだろうと思っていると身体がフワリと宙に浮いた。
「えっ?ちょっと上条?」
「ドアあけて。」
私を抱き上げて両手が塞がってる上条に
言われるまま寝室へつながるドアを開けた。
静かにベッドに座らせると、部屋の電気をつけて上条は私の向いに膝をついた。
手を握り真っ直ぐこちらを見る上条は、
先ほどの情けない顔でなく今まで見たことがないような優しい顔をしていた。
「付き合いたいって…一緒にいたいって思ったのは文だけだ。これからも俺と一緒にいてくれる?」
「…私でよければ。」
そう伝えると、
優しいキスが降ってきた。
「…文じゃなきゃ絶対いやだ。」
そう耳元で囁かれ
顔が熱くなるのを感じた。
そして今度は先程よりも情熱的に唇を奪われた。
「っん…シャワーを。」
「…そんなの後でいいよ。」
「…寒いから…暖房…」
「…すぐ熱くなる。」
耳元に囁かれ唇を押し当てられ、
身体の奥がゾクゾクしてしまう。
「…かみじょ…う。電気…」
「上条じゃねーよ。」
「…えっ?」
顔をあげ不機嫌そうな上条の言葉の意味がわからず、見つめていると抱き上げられてベッドの中央に組み敷かれた。