初恋を君に


「なぁ…文、お願い。ダメ?
どうしてもダメ?」


上条は後ろから腰に腕をまわし
耳元で甘く囁く。

あぁ…もう!この男は!!!


「…わかった。その代わりお腹空いたからご飯食べてからね!…あと髪の毛とか洗いたいから後から入ってきて。」


そう言うと返事の代わりに、
首筋にひとつキスが落とし
ぎゅっと抱きしめてきた。

上条は本当に甘い男だ。
それに私も上条に甘すぎる。
全く…

上条はよっぽど嬉しいのか、
「手伝うから!!」と
キッチンにそのままとどまった。

メニューは簡単に作れるおうどんにしたので、特に手伝って貰うこともないのだけれど…仕方なくネギを切ってもらう。

その間にうどんやほうれん草を茹でたり、かまぼこを切ったり準備を進める。

作るながら隣の上条を見ると、
ニコニコとニヤニヤの間の変な笑顔で
こちらを見ていた。


「…何?どうしたの?」


「いやぁ〜。なんかすっごい実感して。文がやっと俺の彼女なんだなぁって!
そんな格好も拝めるし…」


そんな格好…?


言われて自分がパーカーしか着てないことを思い出す。
かなり大きなサイズなのでお尻は隠れてはいるが辛うじてという格好だ。
スカートならマイクロミニくらいの丈だろうか。
思わずパーカーの裾を引っ張った。


「もう!なんか履いてくる!」


「いいじゃん。食べたら風呂だし。」


上条の言葉に、チェストのある寝室へ
向かおう足を止めた。
振り返って軽く睨んでみるが
当の本人に頭を撫でられ、
にっこりと微笑まれる。


「早く飯にしよう。」


「…わかった。」


軽くため息をついて、料理に戻る。

やっぱり上条に甘いなぁ…
なんか言う事、聞いちゃう。

そんな事を考えながら、
作り終えた、おうどんを二人で食べる。
お腹が空いていたのは、
二人とも一緒だったようで
一気に食べてしまった。

お茶を飲み一息ついてから、
さて…お風呂に入りますか。


「お風呂に入ってくるね。」


そう伝えると
返事も聞かずに立ち上がり
バスルームへ向かう。

リビングを出る前に、
チラッと上条を盗み見ると
小さくあくびをしながら
テレビに夢中だった。


もしかして…忘れてるかも?
ササッと済ませちゃおう。


そう小さく決意をして
バスルームに向った。


湯船に浸かったら心地よくて
思わず、ふぅーと息が漏れた。

あぁ…気持ちいいー。

若干夢心地の気分でいると、
ガチャッと扉が開く音がした。
びっくりして扉を見ると上条が
顔を覗かせていた。

「入るぞー」


そう言うとこちらの返事も聞かずに、
バスルームに入ってきた。
慣れた手つきでシャワーを浴びて、
髪や身体を洗い始める。
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