初恋を君に


「そんなに周りは見てないわよ?もしかして…ヤキモチ?」


「…っうるさいよ。」


「もしかして…あの時も?ほら、ちょっと前に制服のスカート履いた時…」


そういえば…
あの時も同じようなこと言っていた…

不機嫌そうに口をとがらす姿が
可笑しくて思わず吹き出した。


「笑うなぁ〜!文は自覚が無さすぎる…」


「ごめん。達哉が嫉妬するなんて想像しなかったから。」


「それだけ、本気なの。」


驚いて達哉を見ると、
こちらを見つめていた。


「そんな驚くなよ~。全く…何度でも言うけど相当好きだからね。文のこと。」


「ちょっと…外では…」


恥ずかしさと照れくささで
ワタワタしてしまう。
突然、しかも周りに聞こえるような場所で…


「何?家ならいいわけ?例えば…」


ベッドの中とか?と顔を近づけて
囁いてきたので、顔が熱くなる。


「…っ!」


今度は達哉が可笑しそうに笑い出した。
どうやら先程の仕返しでもあるようだ。
もうっ!とふくれっ面をしつつも、
なんだか可笑しくてこちらも
笑い出してしまった。


「でも、そんなに口に出すと…私だって慣れて聞き流しちゃうかもよ?」


こちらも仕返しとばかりに言い返してみる。


「ふーん?そんなもん?じゃあ試してみよう。目をそらしたら負けね?」


そう言うとおもむろに私の手を取り、
じっとこちらを見つめ始めた。


「…えっ?なっ何…?」


「文…可愛い。…好きだよ。」


真剣な顔で見つめながら
歯の浮くような言葉を並べ始めた。

むっ…無理…!!
恥ずかしすぎるっ!!!


「わっ分かった!!もういいからっ!」


「文の負け。」


そう言うと握っていた手を口元によせ
軽くキスを落とした。
あまりにも自然な流れだったので
我に返って先ほど熱くなった顔が
もっと熱くなるのを感じて思わず項垂れた。

こんな事をよくも平気で
軽くこなしてしまうのだろう…

顔を上げ軽く睨んでみる。

女たらしめ…

そんな事を思っていると、
目顔で何?と訴えていたので
繋いだままの手を外してカップを持ち上げた。


「別に…慣れてらっしゃるなぁ〜と。」


「…そう?うちの親とかそんな感じだから。」


そんなもんじゃないの?
と不思議そうに首を傾げた。

これがナチュラルに行われている家庭って…
まるで海外ドラマのようだ。
割と古風な家で育った私には、
ちょっと考えられない。

まぁ、そこが上条が上条たる所以なのだろう。
その時はそんな事を考えていた。




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