初恋を君に
家に帰ってきて洗濯物を取り込んだり、
夕食の用意をしたり、
2人でパタパタと動いていて
話そうと思っていた事を思い出したのは
夕食を食べ終えて片付けをしている時だった。
「ねぇ…これからの事なんだけどさ…」
「今日のこれから?」
「ううん。私たちの今後。」
泡を流したお皿をカゴにうつし、
手を拭きながら達哉はこちらに向き直る。
「…なに?」
「あのさ…私も働いてるし外食代とか出せるし…しかも食料品のお金まで出してもらうのはちょっと…」
「なんだよ〜。そんなことか〜びっくりした〜」
そんなことって!!
私にとっては結構重要な事なんだけど…
達哉に少しだけ不満そうな雰囲気が
伝わったのか、まぁまぁと笑いながら
ソファに座るように促された。
「俺の勝手な計画聞いてくれる?とりあえず年明けて落ち着いたら、一緒に暮らそう。文の親にも挨拶しに行かなきゃだし、結婚式も文のドレス見たいから挙げたいと思ってる。まぁそのへんは時間作って話そう。で、結婚していずれは子供も出来るかもしれない。そしたら、文だって一定期間は仕事できないだろ?その時に俺の稼ぎだけでもやっていける。ってとこ見せたいんだよ。…だめ?」
「…えっと。」
まさか、そこまで考えているとは
思ってもみなかったので、
目を丸くして驚くばかりだった。
「ごめん…そこまで本気とは…」
「思ってもみなかった?」
「うん…」
膝の上で組んでいた手の上に、
達哉がそっと手を重ねた。
「本当はもっとゆっくり進めるべきだと思うけど…好きな人とか、恋人とか、付き合うとか…初めてだし、ゆっくりとか柄じゃないし…
あーなんか、恥ずかしいんだけど!」
ふと、達哉の顔を見ると
うっすら赤くなっていた。
「顔が赤い…」
「うるさいっ!」
達哉が可愛いなんておかしいけど、
可愛く見えて仕方なかった。
「きちんと考えてくれてるのは分かった。でもそれとこれとは別。私が働いてる内は折半しよう。もしそれが嫌なら…出してくれようとした分は貯金でもしておいてよ。…未来の私たちの為に。」
「それって…計画に乗ってくれるってこと?」
「言い方…まぁ、そんなとこ。」
恥ずかしくて、顔を背けると
重なっていた手をぐっと引き寄せられ、
達哉の腕に包みこまれた。