初恋を君に
月曜日、
年の瀬で総務課もなんだか慌ただしい。
年始のお年賀の確認や、
取引先へのご挨拶状などの
最終確認に追われている。
今年中に終わらせたい仕事に取り掛かると
あっという間に、昼休みになってしまった。
「文さん。お昼行きましょう〜」
くみちゃんの声が背中から聞こえてきた。
振り返り顔を見ると、土曜日よりも
スッキリした顔をしていたので
土日で少しリフレッシュ出来たようだ。
2人で社食に向かうと入口に、
達哉がいるのが見えた。
ふと目線を送ると、ちょうど向こうも気づいたようで軽く手を上げながら微笑んでいた。
今までと違って見えてしまうのは…
関係が変わったからだろうか?
なんとなく照れくさくて微笑み返して
目線を落としてしまった。
そそくさと空いている席に着くと、
少し遅れてくみちゃんが
お盆を向かいの席に置き、椅子に座る。
「文さん!金曜日にご飯行きましょう。さやかさんからメールきました!」
「へっ?突然ね…どうしたの?」
「だって私たちに報告ありますよね?」
驚いて、くみちゃんを見ると
ニヤニヤと笑っていた。
「…なんで?まぁ…うん。わかった…でも待って!金曜日ってクリスマスだけど、大丈夫なの?ほら…予定とか…」
「ふふっ大丈夫です!ちなみに上条さんからも許可を頂いております。」
「…えぇ!!」
「お見通しですよ!まぁ…さやかさんがですけど〜」
そう言うと、澄ました顔で
くみちゃんはラーメンを食べ始めた。
さすがと言うか…なんというか…
一体いつ気づいたのだろうか?
私には今日はまだ会っていないはずだから
おそらく…達哉だ。
思わず額に手を当てた。
まぁ近いうちに話すつもりだったし、
ちょうどいいかな…
ふと目線を感じてそちらに目を向けると
佐山くんと視線がぶつかった。
にっこりと笑う佐山くんに
苦笑いしながら会釈する。
「…文さーん。解決しなきゃいけない問題はもうひとつ残ってるみたいですよー。」
「くみちゃん…言わないで。頭痛いわ。」
「モテる女は辛いですね!」
「あははっ」と乾いた笑いがでた。