初恋を君に

「文はずるいんだよ。」


そう言うと上条がほっぺをつねった。

「いったぁ!!」

もう、なんなのよー!!


上条は資料のもとに戻りながら、
「文。イタリアンがいい〜」


「えっ?えっ?」


「お礼!!」


そう言ってニヤリと笑う。
どうやら土曜の件らしい。
はいはい。もちろんでございます。

「今週はちょっと忙しいから、来週の金曜は??」


「はいはい。仰せのままに!」


「じゃあ遠慮なく。ずっと行きたいとこあるから予約しとく。時間はまた連絡するよ。」


「畏まりました。じゃあ、私もう行くね。」

「おう。ご苦労さん。じゃあな。」


そう言ってミーティングルームを出て
隣の部屋に入る。


テーブルに手をついて、
ふかーく息をついた。


何なの?あれ?びっ…びっくりしたぁ。

今まで同期として過ごしてきたけど、
上条のあんな顔初めてだ。

まるで男の顔…

いやいや!
有り得ないっ!!
私にそんな顔を見せるものか!
うん!きっとスカートマジックだな!

そんな意味のわからない言い訳をして
自分を落ち着かせた。
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