初恋を君に
「文さん…さっきは、すみませんでした。」
2人でオフィスに戻りながら、
くみちゃんが落ち込んだ声で
謝ってきた。
「え?なにが?」
「さっき『結婚ですか?』って大きな声で…私、文さんの気持ちも知らずにすみません…」
くみちゃんは裏表がなく
自分が悪いと思ったら
すぐに謝ってくる素直な子で
上司にも気に入られ、お局様にも可愛がられるという珍しい立ち位置だ。
そんな彼女の事を私も大好きで
落ち込んだ声をされるとこちらも心が傷んでしまう。
「もういいよ〜実際私もそろそろかなぁって思ってたし、そんな話くみちゃんにもしてたもんね。期待に答えられずに申し訳ないけど…」
「そんな!文さん振るなんて勿体ない男です!」
「そう?ありがとう。お世辞でも嬉しい!」
そう言って笑うとくみちゃんは
ほっとした顔をした。
「あっ!でも…上条さん怒らせちゃったかもです…」
「なんで?上条?」
ここでなんで上条が出てくるんだ?
「私が、わぁわぁ騒いでたのが
いけなかなったんですけど
睨まれちゃいました。」
「まさか〜?」