初恋を君に

ちょっと今のは何なんだー!

頭を冷やすためにも階段で
3階まで降りた。


ちょうどオフィスに向かう途中で
くみちゃんとすれ違った。


「文さ〜ん。定時ですよー。
もう上がれます?」


「あっ…うん。ちょっとだけ仕事片付けたら帰るよ。お疲れ様〜」


「珍しいですね〜。お疲れ様で〜す!」


本当は定時で上がれる予定だったのに…
思いもがけないハプニングで
少しだけ残らなければ…


やはり少し混乱をしているようで、
いつもなら10分程で終わる業務が
20分ほどかかってしまった。


なんか悔しいなぁ…


帰る準備を始めると、
エレベーターから見覚えのある顔が
近づいてきた。


「おぅ〜!きくち〜!」


こののんびりした声は…


「染谷課長!お疲れ様です。」


商品開発部の染谷課長が手を振りながら
こちらにやってくる。

染谷 聡(そめやさとし)課長は、
商品開発課の課長で34歳だ。

見た目はふんわりとしてのんびりと話す。しかし34歳で課長になっただけあり、
仕事はやり手だ。

普段は郊外にある商品開発課に
勤務にしているはずだが…


「今日は本社に御用ですか?係長なら帰りましたよ〜」


染谷課長と総務課の係長は同期だ。
総務課と庶務課は定時帰宅が
暗黙のルールで庶務と総務は
残業をしようと思えば
果てしなく出来てしまうので
社長から『今日中にやらなければいけない仕事が無ければ定時に帰ること』という、お達しがでているのだ。

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