初恋を君に

「定時過ぎてるからいないの知ってるよ〜。今日、企画課と会議だったんだよー。」


「あぁ。そうだったんですね。」


「そしたらさぁ〜菊地の美脚が見れるって噂を聞いて。まだいるかなぁ〜って帰りに寄ってみた。確かに美脚だね〜。商品開発課に来たらスカートで勤務してね〜」


「えっと…染谷課長…」


思わず苦笑いをする。


「まず美脚ではありませんが、
お褒め頂けたことは嬉しく思います。
そして商品開発課に異動する気は
ないので、すみません」



「えぇ〜だって総務の菊地と冨田は
いつもいい意見くれるんだも〜ん。
しかも割と厳しめの。じゃあ冨田
ちょうだいよ〜」



「染谷課長…そんな事を私の一存では決められませんよ。」



我社で使う文房具は、
もちろん自社製品なのだが
商品開発課と試作製造課が作った
新作サンプルが定期的に配られて
社員に意見を集める。
もちろん総務課の私達でも意見や感想を
出しても良いのだが、以前くみちゃんと
ペンの色味について感想を送ったことがあった。
その当時、私は大人用の塗り絵にハマっており、くみちゃんはもともとイラストを趣味で書いていたので、こんな色味あったら良いのにねーと話していて、
試しに感想と意見を送ってみたのだ。

その意見が商品開発課で採用され、
開発会議に参加させてもらってから
度々、新作サンプルの意見を
聞かれるようになった。
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