初恋を君に


「えぇ〜じゃあ、係長に聞いてみよ〜」


こんな感じなのに、やり手なんだから
人は見た目によらない。
開発会議で緊張していた私達を
このふんわりのんびり感で、
すっかり解きほぐしてしまい
意見を聞き出し新作にバンバン取り入れた。

その商品は今やヒット作となり
くみちゃんのようにイラストを描く人達にとっては、なくてはならないものに
なっているらしい。


「聞いていただいても、無理かと…」


「えぇ〜そんな事、言わないでよー。
まぁいいや〜じゃあね。でも本当に美脚だよ〜ただ上条がハラハラしてるから、明日からはいつも通りのパンツにしてあげな。」


「えっ…えっと…?」


「まぁ、あいつのあんな顔なかなか見れないから、それはそれでいいかもね〜」


そう言いながら、
染谷課長はエレベーターへ歩いていった。


染谷課長まで何を言い出すだ…


染谷課長を見送り、
私も帰ろうと更衣室へ向かう。


明日は絶対パンツ!と
心に決め帰路につく。


家に着くと
いつもと違うラグやソファカバーに
一瞬だけはっとする。


そして替えた理由を思い出し、
あぁそうだった…と心が沈んだ。
ドレスウォッチが目に入り、
もっと落ち込みそうになった時に
鞄の中でスマフォが震える音がした。


くみちゃんからメールだった。

『金曜日は文さんのお家で家飲みパジャマパーティーに決定しました。
なお、文さんに拒否権はナシとの
さやかさんからのお達しです。
ヨロシクお願いします。 くみ』


うわぁ〜!
さやかのヤツめ…

でも1人の週末を考えたら
有難い限りだ。


仕方がないなぁ…という内容のメールを
作りつつ顔はニヤニヤしていた。





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