初恋を君に
昨日の夜のことが頭をグルグル回って
なかなか眠れなかった。
午後からくみちゃんと
会う約束をしていた。
さやかも誘ってみたが、
予定があるらしく今日は無理だと
返事がきていた。
実家住まいのくみちゃんのお家にお邪魔する予定だ。
うーん。クマがひどい…
眠れなかったのだから仕方ない。
くみちゃんとの約束は最寄りの駅だ。
時間通りに駅につくと、
くみちゃんが手を振っていた。
1週間会わなかったのに
すごく久しぶりな感じがする。
「くみちゃん。今日はありがとう。」
「いえ!とんでもないです〜こちらです。車乗って下さい!」
駅から少し離れているので、
車で迎えに来てくれたようだ。
くみちゃんらしい軽自動車が近くに
止まっていた。
「商品開発課どうだった?」
「楽しかったです〜。でもたまに行くからですよね〜私には総務の仕事があってますよ〜」
ハンドルをきりながら、
くみちゃんが答えた。
どうやらなかなか大変だったらしい。
「そっか…お疲れ様。」
「文さんこそ、何かありました?」
「うぇ!?なんで?」
「何かありましたね〜」
「うっ…うーん。どうだろうねぇ」
くみちゃんが意味深な笑顔をする。
「まぁまぁ…後で詳しく聞きますから!もう着きますよ。」
そう言って車庫に車を入れる。
玄関を入ると、
歌劇団のカレンダーがババン!っと
貼ってあった。
「あっ、うち母も好きなんですよ〜。今日も観劇に行ってます。」
なるほど…血筋なのかもね。
「2階へどうぞ〜上がって正面の部屋です。」
「おじゃましまーす。」
部屋に入るとペンが沢山並んでいた。
きっと出しておいてくれたのだろう。
「あっ文さん。色々試してみてください。紅茶で大丈夫でした。」
「ありがとう〜」
くみちゃんもテーブルに付きながら
ペンの説明を色々してくれる。