初恋を君に
お昼休みにさやかとくみちゃんと
1週間、色々と相談した結果
肌触りのいいバスタオルが
いいのではないかということになり
次の週の仕事帰りにくみちゃんと買いに行くことになった。
その後3人で食事しようと言う話となり
それならお店は私に任せて。と伝え
先日上条が教えてくれたお店を予約した。
当日は買い物をスムーズに終え
さやかと合流してお店に向った。
「うわぁー可愛いお店ですね〜。物語に出てきそうです。」
席について感嘆の声を上げるのは、
くみちゃんだ。
「ありがとう。嬉しいねぇ」
そう言いながらボトルを片手に
来てくれたのは、先日カウンター越しに話しかけてくれたシェフだった。
背が高く筋肉質で、シェフと言うよりは
ラガーマンっといった感じだ。
「これサービス。また来てくれたから。今日は彼氏じゃなくて、綺麗なお友達と来てくれたんだね〜」
そう言いながらスパークリングワインを
注いでくれた。
2人の視線が痛い…
「ありがとうございます…あのでも、
この間の人は彼氏でも何でもないんです。ただの同僚ですよ。」
「へぇ?そうなの?てっきりそうかと…そりゃ失礼した。それで?注文は決まった?」
話題が変わりホッとしてながら
オーダーをする。
了解〜と言いながら厨房に戻るシェフを
見送らないうちに、へぇ〜と声がする。
「ここなんだ。デートできたの。」
「いや。だからデートじゃないからっ」
「向こうにとっては立派なデートだったんじゃないの?お店予約して送り届けるなんて…」
「まぁまぁ、さやかさん。」
「くみちゃん。悪いけど言わせてもらいわ。文。文の自分の気持ちを疑うのは悪いクセよ。もっと思うままでもいいんじゃない?そのままだと自分が損するわよ。」
さやかは私を真っ直ぐ見て
言葉を続ける。
「すぐに変えるのなんて無理なことは分かってるわ。だから1人で抱え込まないで話ぐらいいつだって聞くから…」
さやかは、本当に心配してくれているのだ。その思いが本当に嬉しくて目頭が熱くなる。その言葉に感動したのは私だけではなく、くみちゃんもだったようでボロボロと泣いていた。
さやかは驚いて目を丸くした。
「でも今日はくみちゃんの話を聞こうかしら。これは、相当参っているようね。」
いつも明るいくみちゃんが
ここまで弱気な心を見せるのは
かなり珍しい。
さやかと2人で目を見合わせ、
これはとことん聞いてあげよう。と
頷いた。