初恋を君に
食事をしながらくみちゃんの話を聞く。
出会った時から向こうから
なんとなく好意は感じていたそうだ。
自分も気になっていたので、
食事などに誘ってはみたが
なかなか良い返事がもらえなかったが
ようやく食事に行けた時に
告白に近い言葉を告げたら、
『年の離れた妹のようだ』と
言われてしまったらしい。
「うーん。」
2人して唸ってしまった…
相手からの話を聞いていないので、
何とも言い難いがもうちょっと
頑張る余地はありそうだ。
というのが私達の意見だ。
「でもちょっと期間を空けるのはいいんじゃない?今のくみちゃん見てられないわ…大好きな歌劇団でしっかり充電なさいよ。」
「うぅ…さやかさん…」
「そうそう。私の話だって聞いてもらってるし。私だっていつでも話聞くから。」
「文さん…」
またもやくみちゃんの目がウルウルしてきた。運ばれてきたデザートを食べながら2人して笑ってしまう。
「泣かないの〜」
「はいっ〜」
もう本当に泣き虫だなぁ。
素直に感情がでるくみちゃんが可愛い。
「本当に二人とも世話がやけるわね。」
楽しい食事を終え帰路につく。
駅が見えた頃…
あれ…スマホがない…。
お会計する前に電車の時間を
調べていて、
お財布出す時に台の上に置いて…
うーん。忘れたなぁ…
「ごめん…忘れ物した。先に帰って!」
「本当ですか?一緒に行きます??」
「いいよ。快特もう来るんでしょう?」
3人とも路線は一緒だが、
2人は普通電車だと時間がかかる。
「大丈夫よ。じゃあまた明日ね!!」
「気を付けてね。」
「お疲れ様です。」
そう言うと2人と別れた。
今来た道を戻る。
先ほど出たばかりのお店の扉を開けると
スタッフが安堵の顔をした。
この人…上条と来た時、案内してくれたスタッフさんだ。
「すみません〜やっぱり忘れてました?」
「はい。良かったです。こちらでお間違えございませんか?」
間違えない。私のものだ。
すぐ気づいてよかった…
「ありがとうございます。」
お礼を言いながら、ふと奥を見ると
カウンターに百合子さんがいた。
その隣には…上条がいる。
すごく仲良さそう…
「今日は彼氏さん。百合子さんとご一緒にいらしたんですよ。確かお2人、同じ会社なんですよね。お声かけましょうか?」
「えっ。いえ大丈夫です。って言うか…付き合ってないんで私達。」
それじゃあ…と言って
足早にお店から立ち去る。