初恋を君に
そうだ…資料室に行かないと。
月初に月1の会社全体の会議があるので
その資料を揃えておかないといけない。
今日と明日1日あれば、
資料は全部揃えられるはず…
業務をひと段落したところで
係長にその旨を告げ資料室へ向かう。
資料室は4階だ。
階段を登りながら揃えるべき資料の
メモを確認する。
そういえば、上条が連絡欲しいって
言ってたなぁ。
どうせ昨日の事だろうし…
いいや。どこかで会ったタイミングで…
資料室につき奥に進む。
資料が所狭しとあり、灯りをつけても
なんだか薄暗い。
しかし何かと騒がしいオフィスとは違い
資料室はかなり静かだ。
ふと昨日の上条と百合子さんの姿を
思いだす。
カウンターで仲良さそうに
顔を近づけて笑い合う2人は
本当にお似合いだった。
やっぱり百合子さんみたいな、
仕事が出来て美人で色香のある女性なら上条でも落ちちゃうんだなぁ…
少しだけ胸の奥がチクッとした気がした。
いやいや。そもそも私は恋人と別れたばかりだし…次の恋愛なんてまだ…
って言うか!上条は同期だし…
あぁ〜もう!
この間から堂々巡りだ…
考えたって仕方ない。
そう思い直して資料探しを始める。
気づくと就業時間が近づいていた。
そろそろ席に戻ろう…
続きは明日にしよう。
オフィスに戻ると、
定時が近づいてるので
みんな仕事に目処を付けて片付け始めている。
席につくと、
くみちゃんがこちらを見ている。
どうやら話があるようだ。
何だろう…
席で少し待ってみよう。
定時になり、お疲れ様〜との声とともに
みんなが席をたつ。
オフィスの大半の人が帰ると、
くみちゃんが私の席までやってきた。
隣の席の椅子に座り、私のすぐ隣まできた。
「どうしたの??」
周りを何故か見回してから、
くみちゃんは少し声を潜めて
「1時間くらい前に上条さんが来たんです。多分外出からそのまま寄ったみたいで…」
「えっ?」
「文さんはどこにいるのかって聞かれて…資料室にいること知ってたんですけど、お昼に聞いた話が引っ掛かってて。知りません。って答えちゃいました。大丈夫でした…?」
「…大丈夫。何か用事かな?」
「連絡してないんですか?」
「えっ。うん…百合子さんとの事、黙っておいてとかそう言うことかなぁと思って…会った時でいいかなと思ってさぁ」
「本当に付き合ってるんですかね…」
くみちゃんがこちらをじっと見てくる。
「本当のところは分からないけど…でもすごくいい雰囲気だったよ。でも私には関係ないし…」
「文さん…」
関係ないのに、ちょっと悲しいのは何でだろう…
「とりあえずもう帰ろう。今度会ったら上条に聞いてみるからさぁ。」
「…それでいいんですか?」
「だっていいも何も…」
そう言いながら立ち上がると、くみちゃんも立ち上がり椅子を閉まい一緒に更衣室へ向かう。