初恋を君に
「くみちゃん。あの上条が彼女を作るなんて凄いことだと思わない?お祝いしてあげるくらいのレベルだと思うよ。」
「…私はその彼女になる人は、文さんだと思ってました。」
「そっか〜。ハズレたね。くみちゃんも百合子さんとの事は黙っていてね。」
「って言うか信じてませんし。」
「くみちゃん…なんか冷たい。」
そう言って泣きマネをすると
くみちゃんが焦って言った。
「だって文さん本当は平気じゃないはずなのに…今日もちょっと変でした。少し元気なかったし…」
そう見えたのか…
思わず、くみちゃんの頭を優しい撫でる。
「心配してくれてるのね。自分でもよく分からないけど…やっぱりショックなのかなぁ?それはどうゆう立場でかは分からないけど。でもありがとう。」
「すみません…出過ぎたことを…」
「ううん。全然!ちょっとだけお茶して帰る?」
「はい!」
そう言うと、くみちゃんは自分のロッカーに小走りで向った。
次の日の朝、
昨日の夜遅くに届いていたメールに気づいた。早めにベッドに入ってしまったのできづかなかったのだ。
まさかと思ってメールを見ると
やはり上条からだった。
『冨田さんから伝言聞いてないの?』
まずい…
このままではくみちゃんが悪者になってしまう。
急いでメールを返事する。
『おはよう。ごめん。疲れて寝ちゃった。伝言は聞いてる。百合子さんとの事なら誰にも言わないから安心して。』
そう返事を送り、
支度をして会社に向かう。
午前中はデスクワークを片付ける。
お昼休みに入り、くみちゃんと社食で
お昼を食べていると菊池さん。と
声をかけられる。
誰だろうと声のする方に顔を向けると
先日、エレベーターで声をかけてきた
佐山くんだった。
「お疲れ様。」
「お疲れ様です。この間の話…本当に行きませんか?」
「この間の話…?」
「ショックだなぁー。忘れちゃったんですか?飲みに行きましょう。っていう話ですよ。」
はっ??
あぁ…そういえば、そんな話をされたような。
「月初の会議が終わるまで少し忙しいんで…その後改めてお誘いしてもいいですか?」
「えっ…あぁ。そうね。考えておく。」
「絶対ですよ。これ僕の連絡先です。」
佐山くんから名刺を渡され、
仕方なく受け取る。
キラキラした笑顔で爽やかに去って行った佐山くん。
なんかあの子人気ありそう…
そんな事を考えながらいると、
「文さん…佐山さんとどんな関係なんですか?」
くみちゃんが訝しげに聞いてきた。