初恋を君に
びっくりしたー。
いやぁ…あんな事言われたら女の子は
イチコロね〜。さすがだわぁ〜。
そんな他人事な事を考えながら、
資料をしまうために脚立を用意する。
ファイルを抱えて登り始めると
また扉の開く音がして足音が近づいてきた。
誰だろ。佐山くん?忘れ物かな。
「佐山くん?忘れ物?」
そう声をかけ振り返ると
そこにいたのは佐山くんではなく
上条だった。
「あっ…ごめん。上条だったの。」
資料をしまい脚立を降りようとした時、
私が登っている側の脚立を
上条は両手つかみ1番下の段に足をかけた。
「ちょっと降りれないんだけど…」
「佐山とどうゆう関係なの?この間は知り合いじゃないって言ってなかった?」
「関係って…別にここでたまたま会っただけよ。降りるから退いてよ。」
そう言って体を動かすと
上条は足だけは降ろしてくれたが
腕はそのままだったので腕の中に降りるような形になってしまったが、
すぐにその下をくぐり上条から
距離をとった。
脚立を片付けようと上条の反対側の脚立の梯子に手を伸ばすと、
やるよ。と上条が脚立を持ち上げて片付けてくれた。
ありがとうと伝えてコピー機の横にある資料の束に向かおうとした時、
後ろに手を引かれたと思ったら
グッと引き寄せられ気づいたら上条と壁に挟まれて身動きがとれなかった。
「ちょっとっ!」
上条を見上げると
かなり苛立った表情でこちらを見ていた。
「佐山に何されたの?結構長い時間一緒にいたみたいだけど。」
近いよ…と言いながら
上条の肩を叩くが離れるどころか
私の両手首を片手で掴み頭の上で
まとめてしまう。
やはり男の人だ。全く解けない。
「ねぇ。ちょっと。やめ…」
言い終わる前に上条の唇で口を塞がれる。何度も角度が変わりどんどんキスが深くなる。前回は肩を叩いて止めることができたけど今日は両手が使えないため、反抗できず波にのまれてしまう。
静かな部屋にリップ音が響く。
まずい…足の力が抜けそう…
そう思った瞬間手首が自由になり、
上条の両手が背中と腰にまわる。
自由になった両手は、
反抗など出来ず自分の体を少しでも
支えるため上条のスーツを握りしめていた。
「…んっはぁ」
「佐山にもその色っぽい声聞かせたのか。」
不機嫌そうに耳元で囁き、
耳たぶに唇を寄せる。
「…んっやっ」
「ここでこれ以上の事してたの?」
不機嫌な声とは裏腹に
上条は耳から首すじに優しくキスを落としてくる。
「…んっあぁ。…してない。そんなこと…はっはなし…だけ」
「本当だな?」
耳元で囁く声に頷く。
「じゃあその可愛い顔もみせてないんだな。」
よく分からず、ウンウンと頷く。
上条は満足そうに笑うと
チュッとキスを落とし、ぎゅっと抱きしめてきた。