初恋を君に


『18時頃、迎えに行くよ。』


お風呂から出るとそうメールが届いていた。水を飲みながら返信をする。


なに、来ていこうかな…?
少しおしゃれしようかな…

…おっと?何だかウキウキしてきたぞ。
きっといい傾向なはず。

先日買った紺のニットワンピースと
カラフルなストールを合わせる。

上条は背が高いから、
ちょっとヒールが高くても平気かな?


大体準備を整えて待ち合わせまでは
まだ時間があるので、紅茶を入れて
ソファに座る。


テレビをつけようとリモコンに
手を伸ばした時ドレスウォッチが
目に入った。


また違ったら…?
勘違いだったら?
…ヤダヤダ!考えるのはヤメ!


せっかくウキウキしたのに…
気持ちが沈んでいく。
膝の間に頭を乗せて目をつぶる。


これじゃ…同じところをぐるぐる回っているだけだ。



…ピンポーン。


インターフォンが鳴っている。
どうやら寝てしまったらしい。
気づいたらソファに横になっていた。


いま何時…?
18時過ぎてる!!


インターフォンを鳴らしたのは上条に違いない。急いで鞄と上着を持ち玄関に向かう。


「ごめん!寝ちゃった!」


そう言いながら急いで扉を開けると
予想通り上条が立っていた。


「…急いで出てきてくれたのは嬉しいけど、不用心だぞ。」


「うっ…ごめん。」


全くっと笑いながら髪をすく。
鍵を閉めて上条と共にエレベーターに
乗り込む。


「服いいね。だけど胸元の印はギリギリ隠れてる。ちょっと残念…」


「うっ…何言ってるのよ。」


「くっくっ照れてるなよ。そそられる。」


そう耳元で囁かれ、手を引かれエレベーターを降りる。車に乗り込み、なに食べる?と聞かれたので…和食がいいと伝えると…


「あっ俺も。同じこと考えてた。じゃあ決まり。」


そう言って車を発進させた。


「一応寿司屋だけど堅苦しくない感じのとこがあるんだ。そこでいい。」


「いいよ。任せる…」


色々なお店知ってるんだなぁ…
色んな女の子と行ったのかな。
ってこれって嫉妬?


窓の流れる景色を見ながらそんな事を考えていた。


「文って美脚だよなぁ。」


「何よ。急に…」


「前々から思ってた。って言うか前から思ってて言わない事って意外にあるもんだなぁ…」


「例えば?」


「文は可愛いとか。」


この男…どこまで本気なんだ?


「あっそう。ありがとーございます。上条さんに言われるなんてコーエーですわ。」


「おまえ棒読みすぎ〜!!」


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