初恋を君に
いつもだったら、
今からでもお茶してくれば?と促すところだがなんだか、くみちゃんを見ているとそうゆう感じではないようだ。
「返事はした?」
「いえ…多分、本当に近くに来たから妹のような私に声をかけてくれただけだと思うんですよ。なのに期待している自分が嫌なんです。それに現実を知るのも怖いです。」
「そっか。なんか分かるよ。」
「文さん…」
「今回は気づかなかったという事でゴメンナサイメールを後で入れとけば?」
「そうですね。そうします。」
力なく笑うくみちゃんが、
何となく自分と重なる。
状況は全く違うが、相手の気持ちが見えないことが怖い…そんな気持ちが同じような気がした。
「早く時間が過ぎて全てが
解決すればいいのにね。」
「私もそんな気持ちです。でも解決って何ですかね。正解がわかりません。」
何が正解なのか?
正解なんてあるのか?
自分のほしい答えはなんなのか?
それさえもはっきりわからない。
思わず二人して溜息をついて
見合わせた。苦笑いしてお弁当箱を片付けはじめる。
「さて午後からも頑張りますか?」
「はい。」
そう言うとお互いの席に戻った。
そして金曜日。
約束通り、さやかとくみちゃんと
シェラスコのお店に来ていた。
「お疲れ様〜。」
カチリとグラスを合わせる。
店員さんが串に刺さったお肉を
切り分けてくれるのを3人で見ている。
何とも美味しそうだ。
「それで?最近どうなの?二人とも。」
早速さやかが切り出した。
私が言い及んでいるとくみちゃんが
話し始めた。
「う〜ん。ぶっちゃけ、よくわかりません。逃げたいです。」
「あの気になる人?」
「はい。文さんとも話していたんですが…早く時間が過ぎて欲しいです。決着つけたいです。でも自分から動くのはごめんです。充分動きました…だからもう諦めたいんですよ…」
「くみちゃん…」
さすがのさやかも何も言えないようだ。
私もくみちゃんがこんなにも参っているのを初めて見た。
「わかった!くみちゃん。食べて飲もう。」
「はい!!」
くみちゃんの話を色々聞いて慰めたり
励ましたり、そして沢山食べて飲んだ。