初恋を君に


「ふーん…そうゆうことになってたのね。それで付き合い始めたってこと?」



「…やっぱり、そうなるよね?」



「っていうか、そうとしか思えないけど。」


少なくなったコーヒーカップを
見つめながら答えに詰まってしまった。


「…ちがうの?」


「わからないの。」


そう言うとゆっくり背もたれに背中をつける。


「ちゃんとした言葉があった訳じゃないし、相手はあの上条だし…何より…」


自分の気持ちがわからない。
だから相手にきちんと聞けない。


「…文。こじらせてるわね。」


さやかは可笑しそうに笑っている。

えっと…私…
かなり真剣な話してたよね…?


「わからないなら仕方ないわよ。それでいいじゃない。」


「…そんなもん?」


「うん。そんなもん。お互いフリーだし上条といて楽しいならとりあえず一緒にいてみればいいじゃない。今はそれでいいんじゃない?アレコレ考えない!」


「えぇ〜それでいいの?」


「いいの!上条だから!」


さやかと顔を見合わせる。
どちらともなく笑いがこぼれた。

スマホが震えているのに気が付き
画面を見てみると上条からのメールだった。それに気付いたさやかはニヤリと笑って返信してあげなさいよ。カップは返しておいてあげるから、と言って立ち上がった。
内容は明日買い物に行こうとの誘いだった。特に予定も無いので大丈夫と返信してさやかの待つ出口へ向かう。


「今出れば電車乗れるわ。文。早く!」


「はいはい。」


小走りでホームに向かう。
自分の中でモヤモヤしていた気持ちが、
少し晴れた様な気がした。持つべきものは少し大雑把な友達だなぁと笑ってしまう。



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